80才前半の女性 中程度の認知症(幻聴や妄想が強いタイプ)

真夏にも徘徊し熱中症による命の危険があったケース

 

 

この利用者様は認知症の症状は中程度でしたが、もっとも強い症状は幻聴でした。

「殺してやる」とか「お前の息子は死にました」などとてもマイナスな幻聴が強く出ていました。

その影響で、家にいるのが怖いので外に出てしまい迷子になるということが毎日のようにありました。

デイサービスが関わる中で、幻聴の軽減のため生活を規則正しくし、脱水など生理的なコンディションもなるべく整えたうえで、医療の力を得ることにしました。

認知症の専門医に受診し、その受診の際にデイサービスの職員は付き添ったり、情報提供したりし、家族の情報提供力を補いました。

その中で医師に今改善したい点とこうなりたいという目標をしっかり伝え、お薬を処方してもらいました。

お薬を服薬していくと、次第に幻聴が落ち着き、穏やかな生活になりました。

その最中にも、服薬後の様子や家族への聞き取りなどした情報を整理し医師へ伝え薬の量の調整に役立ててもらいました。

しかし、半年もすると今度は眠気が強くなり、寝ている時間が多くなってきました。

その為、また、医師と緊密に連携を取り処方の変更を行っていきました。

すると次第に眠気も改善し穏やかな生活を送ることができました。

しかし、その後もずっと穏やかな状況が続くのではなく、幻聴が強くなったり、眠気が強くなったりのシーソー状態です。

その為、このようなお薬の調整がタイトに必要な場合は認知症のデイサービスのような認知症の専門家による情報収集と分析があるとより適切に医師へ状態を伝えられます。その情報をもとに医師が診断し処方することで、日常生活を送ることができる適切な量を服薬することができます。そうすることで、ご本人の尊厳や人格を損なうことなく、ご家族との生活も継続していけているのではないかと思います。