80代女性 中程度の認知症(アルツハイマー型認知症)
易怒性(怒りっぽい)が強く、ご家族が介護できなくて困っているケース
お嫁様がとてもまじめで、同居しているお母さま(ご本人)を一生懸命に支援しようとしていました。
しかし、ご本人様はもともと、周りの人の意見を聞かないでとても強い性格でした。
それが次第に認知症が進んできたことにより、自分一人ではできないことが多くなったのですが、その性格が災いし、嫁様の支援ができないばかりか、二人の関係が険悪な状況になってきました。
そのような中、相談に乗ることになりました。
ご家族は認知症になって支援が必要になっていることは十分に理解しているが、しかし、手が出せなくて困っていました。
デイサービスに行くことの意義も理解できていて、何とかしたいと強く望んでいました。
そこで契約をし、まずは週に2回朝に迎えに行くことから始めました。
もちろん、そのような状況ですから来てくれることは期待せずに、他人がかかわったらどのような反応になるかをみました。
すると、話は聞いてくれるが聞き流し、自分はあなたの意見は聞きませんという態度でした。
それは1か月半続きました。
それと同時に通院の際にどのように話すかを検討していきました。
医師と話すときには要点をまとめてから話すようアドバイスし、さらにその要点の検討も一緒に行いました。
狙い通りの少し沈静化する薬が処方され、それを服薬すると数週間で様子が穏やかになってきました。
また、医師からも血圧測るついでにデイに行ったほうがいいよと言ってもらえ、それはさすがに白衣効果でしょうか。記憶に留まりデイサービスに行く契機となりました。
デイサービスでは変わらずに迎えに行き続けていたので、そのタイミングで「行こうか」ということになりました。
今回は、週に2回迎えに行くことで、嫁様の様子も見ることができ、アドバイスもでき、さらに信頼関係もできたのでしょう。
そこに医療の力を得て相談から2か月してデイサービスに通えるようになった例でした。