水分の補給は大切です。身体の水分は60%にも及び、その2%を失うと身体に変調をきたします。
たとえば、内臓の各種機能低下、脳機能の低下等々です。
高齢者になるとさらに、のどの渇きに鈍くなり自分でのどが渇いたから水分を摂ろうというのでは遅いことがあります。
そこで、次のようなことに気を付け、水分を上手に補給しましょう。
①認知症の予防と症状の改善
認知症になると、いろいろな事を覚えたり、判断したりすることが難しくなります。
高齢になるとのどの渇きが鈍くなり、さらに認知症の症状によりいつ飲んだか覚えていないという状況になると、
朝から夜までずっと飲んでいないということもおこります。
そこで、洗濯物を干したら水を一杯飲む、掃除をしたら水を一杯飲む、料理をしたら一杯飲むなど、
生活のいろいろな 動作の度に少しずつ摂取すると、自然な形で補給できます。
ちょこちょこ飲みがいいと言われています。
さらに、脱水になると認知症状が悪化することがあります。脳の機能が正常に働きにくくなるからです。
ちょこちょこ飲みを支援することで、これを改善することができます。
②高齢者は少しずつ脱水になります
脱水というとその日が暑くて、屋外で活動していて、水分補給が追い付かなくて、急激になっていくという
イメージがあるかもしれません。
しかし、高齢者の脱水に多く見られるのは、数か月かけてゆっくりと脱水になるというものです。
初夏からしだいに暑くなっていくのに、のどが乾いたら飲もうとしているうちに、だんだんと脱水になります。
この時、内臓からも脱水になっていくので、臓器の働きも悪くなり、水分の吸収や食欲が不振になり、
脱水に拍車をかけます。
そこで、暑くなる前から水分を補給する習慣が必要なのです。
③便秘の改善
水分が足りないと、便秘になります。便秘になると、身体にさまざまな影響を与えます。
たとえば、イライラ、不眠、食欲不振、頭痛、肩こり、吐き気などです。
便秘解消にはほかにも食物繊維の摂取や運動も必要です。
認知症状の中でイライラすることが原因で、他の人との関係がうまくいかないことがあります。
認知症の症状ならば向精神薬などの服薬が有効になりますが、便秘が原因の場合には水分補給で
効果があり、イライラが解消することもあります。
薬を多く服用することを避けるためにも水分に注目してみることが必要です。
④食事からの水分補給が基本
水分補給というと水や経口補水液を思い浮かべますが、「食事からの水分補給をお忘れなく」と提案します。
ご飯やみそ汁、食事中のお茶に、ゼリーやフルーツなど。
食事には多くの水分が含まれています。
この食事をおいしく食べる秘訣はなんでしょうか?
1)温かく、冷たい
食事にはそれぞれ適した温度があります。みそ汁やうどんは温かいものがいいでしょうし、ゼリーや
フルーツは冷たいほうがいいでしょう。おいしいから食事はすすみます。
2)作り立て
食事は作り立てが美味しいです。時間を置くと味は変わってしまいます。
3)作る時の音と匂い
食事を作る時には音と匂いがします。この刺激が食欲をだし、身体が食事をする準備をします。
いなせなデイサービスでは①から④のことに注目し、高齢者と認知症の乗田に配慮し、
日常生活動作の中で随時水分補給を促し、食事も手造りで温かく作り立ての食事を提供し、
食欲増進に努め、自然な形での水分補給に努力しています。