機能訓練と聞くと筋力のアップや関節可動域の拡大を思い浮かべる方も多いと思います。
このようないわゆるトレーニングはとても大切で、身体を動かすための基礎的な要素となります。
脳梗塞などで体にマヒが生じそれをリハビリするには、マシンを使用したりしながら、反復訓練が必要になります。
しかし、残念ながらこの訓練は長続きしにくいのです。
なぜでしょう?
人間は目的をもった行動をしたいからです。
言い換えれば、目的がないと動けないのです。
マシンを使ったトレーニングの短期的な目標は先述した筋力のアップなどです。長期目標は自立した生活を送ることです。
マシンを使ったトレーニングから自立した生活まであまりにも一足飛び過ぎるのです。
例えば、筋力はアップしたけど、家では何もすることがなく(家出のことは家人が全部やってくれる)結局自立支援にはなっていないということがよく見られます。
身体的なトレーニングは自立した生活を送るための要素であり、目的ではないのです。
では、自立した生活を送るにはどうしたらいいのでしょうか?
それにはマシンや体操など基礎的な体力が身についた次には、料理や買い物、掃除、洗濯などの家政行為トレーニングを「その人の力」の応じて行うのが有効です。「その人の力」が異なるのでアセスメントが必要になります。それができるのがプロなのです。
つまり、筋力がアップしたから後は家で訓練してください、ではうまくいかないのはここに理由があります。基礎体力がついたらデイサービスに通うのが有効なのです。
いなせなデイサービスではこのことに注目して支援を行っています。
① 基礎的な体力は散歩や体操で維持、向上させ、
② 掃除や、洗濯、食器洗いや料理、買い物などの家政行為で家出の生活を少しでも自立したものになるように、
③ 環境も「自宅」に近いもので「バリア」を超える訓練をするのに適したもの(浴室やトイレ、玄関など)で、
④ 専門的なアセスメントのもと計画し、生活機能を向上させるのです。
⑤ しかも、訓練しているというよりも、より自然な形で鍛えられる
このようなことに配慮し機能訓練を行っています。